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【専門店が教える】プロテクションフィルムとは?そしてそのメリット・デメリットとは?
近年、飛び石や擦り傷などからボディを保護することができるアイテムとして、
注目を集めている「プロテクションフィルム(PPF)」。
そんなプロテクションフィルムにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
このコラムでは、そんな皆さんの疑問にその道のプロがお答えします!
プロテクションフィルムとは? その背景や現状。
そもそもプロテクションフィルムとは、一体何なのでしょうか?
これは、一般的に透明のポリウレタン製フィルムからなる厚さ150μほどの積層フィルムで、
車のボディに貼ることによって、飛び石や鳥糞、生活傷などの外的な要素から、
ボディを保護できるアイテムのことです。
正式名称は「ペイントプロテクションフィルム(PPF)」になります。
元々は軍事用として、ヘリコプターのローターブレードなどが、
飛散物などによって損傷を受けるのを保護するために開発され、
その実証された性能が自動車へと転用されました。
これまでは、スーパーカーなど超高級車のみを対象とされることが多かったですが、
今では多くの自動車ブランドでディーラーオプションとして採用され、
その認知度が高まっている商品です。
では、そんなプロテクションフィルム(PPF)には、
具体的にどんな「メリット・デメリット」があるのでしょうか。
プロテクションフィルム(PPF)のメリット。
1.飛び石や擦り傷からボディを保護できる。
冒頭で紹介した通り、プロテクションフィルムは150ミクロンほどの厚みがあるフィルムです。
その厚みを日用品で例えるなら、ラミネート加工するためのフィルムと大体同じくらいになります。
この150μのプロテクションフィルムは、伸縮性と柔軟性にとても優れており、
「衝撃緩和機能」として走行中にボディに向かって飛来する飛び石の衝撃を吸収し、
ボディの損傷リスクを大幅に軽減してくれます。
また、例えばXPEL社の「アルティメットプラス」と呼ばれるフィルムなどでは、
フィルム自体に「自己修復機能」が備わっています。
これにより、フィルムに付いた軽微な擦り傷であれば、
熱によって自然に傷が消えていく、という特長があります。
2.透明度の高いフィルムなので、オリジナルカラーを崩さない。
一部の特殊なプロテクションフィルムを除き、基本的にプロテクションフィルムには、
非常に透明度の高いポリウレタンフィルムと高性能アクリル接着剤が採用されています。
そのため、濃色車・淡色車限らず施工パーツと未施工パーツとで、
色味の差を感じたりすることはほとんどありません。
また、一般的にプロテクションフィルムは光沢調フィルムのため、
施工することでボディの光沢感が強くなり、輝きが創り出されます。
3.洗車傷などの心配をせずに、気持ちよく洗車ができる。
一目惚れして手にした愛車、手にすることを夢見て購入した愛車、
そんな大切な愛車はいつまでもキレイにしていたいですし、
自分の不注意で傷を付けるなんてことはしたくないはずです。
そんなオーナー様にとって、自分で愛車を洗車する時は、
クロスなどで洗車傷が付いたりしないようにかなり注意を払っているのではないでしょうか。
当店にご来店くださっているフェラーリにお乗りのオーナー様も、そのお一人でした。
洗車傷がボディに付くのが怖くて、なかなか気持ちよく洗車することが出来なかったようです。
しかし、プロテクションフィルムと出会い実際に施工されたことで、
今は洗車傷を気にせずに気持ちよくボディを洗うことができる、とおっしゃっておられました。
愛車をキレイにしたい…でも洗車傷が付くのは怖い…。
この2つのぶつかり合う問題・悩みを一挙に解決してくれるのが、
紛れもないプロテクションフィルム(PPF)なのです。
4.リセールバリューにも貢献。
塗装状態の良い新車のタイミングでプロテクションフィルムを貼るなら、
フィルムによって様々な外的要因からボディを保護できるので、
年数が経ってからプロテクションフィルムを剥がしても塗装状態の良いボディが帰ってきます。
そのため、愛車を売るとなった時にも査定でプラス評価となる可能性が高くなります。
また中には、プロテクションフィルムが貼られているということで評価がプラスに働くこともあります。
5.他車との違いを見せつけ、こだわりをアピールできる!
プロテクションフィルムの施工価格は決して安いものではありません。
例えば、ボディ全体へのフルプロテクション施工の場合、その施工価格は3ケタを超えることも多いです。
でも、他車との差別化を図りたい、愛車へのこだわりをアピールしたい・自慢したいオーナー様にとって、
プロテクションフィルムはその金額を払うのに見合う「最高の付加価値」を付けることができます。
デメリットはあるの?
1.ボディの保護が一番の目的であり、美観性を期待しすぎてはいけない。
ペイントプロテクションフィルム(PPF)は、
その言葉の通り「塗装面を保護するフィルム」として、
ボディをキズや飛び石から保護することを一番の目的としています。
そして、実際にボディの上にフィルムを貼れば、パーツの継ぎ目部分や縁には、
どうしてもすき間や未施工部分との段差が生じることになります。
また、専門店ではプロテクションフィルムの施工に適した環境づくりを行い、
こだわりをもって施工作業にあたってもいます。
しかし、それでもホコリやチリの混入を100%防ぐことは困難で、
それらを完全にシャットアウトすることはどうしてもできません。
ですから、プロテクションフィルムを専門店に依頼する場合でも、
施工後の美観性を期待しすぎないことが大切です。
1m~2mほど離れてボディを見たときにどうか、
そこで判断することをおススメします。
2.経年に伴い、未施工パーツとの劣化の差が生じる可能性がある。
プロテクションフィルムを貼ることで施工パーツは様々な外的要因から守られるものの、
未施工パーツは変わらず塗装面が直接外的要因を受けることになります。
そのため、経年に伴う劣化の程度に差が生じる可能性があります。
未施工パーツにもコーティングなどで外的要因に対する対策を取ることが必要になります。
3.プロテクションフィルムにも耐用年数があり、一生モノではない。
プロテクションフィルムの種類やブランドによっても差はありますが、
例えばXPEL社のプロテクションフィルム「アルティメットプラス」の場合、
その実用耐用年数は5年ほどと言われています。
また、紫外線によるフィルムの黄ばみには対策が施されていても、
黄砂や花粉等の粒子がフィルムの孔子に入り込み、黄ばんでいく可能性もあります。
ですから、貼れば良し!の一生モノではなく、
ある程度の年数での貼替えが必要になるということを覚えておく必要があります。
4.再塗装パーツでは、フィルムを剥がすと塗装も一緒に剥がれてしまう可能性あり。
経年劣化や売却に伴ってプロテクションフィルムを剥がすとなった場合、
製造ライン上でペイントされたオリジナル塗装であれば剥がす時に問題が起きることはほぼありません。
しかし、再塗装されたパーツの場合は、焼付け処理が施されていなかったり、
塗料の足つきにもばらつきがあったりすることがあります。
そうなると、フィルムを剥がす際に塗装も一緒に剥がれてしまう恐れがあります。
また、ボカシ処理として軽く乗せたように吹かれた塗料は、とても剥がれやすく危険です。
5.タッチアップ補修している部分は、フィルム施工中に剥がれる恐れあり。
オーナー様の中には、飛び石傷や線キズなどをタッチアップペンで補修していることもあるでしょう。
基本的にタッチアップしている部分は、元々の塗装と一体化するわけではなく、
塗装表面の上に補修剤が乗っているだけという状態になります。
そのため、タッチアップ補修しているお車にプロテクションフィルムを施工する場合、
その施工中、特にフィルムの位置合わせなどをしている時にその補修部分が剥がれる恐れがあります。
また、剥がれてしまうとその補修剤がボディとプロテクションフィルムとの間で散乱するため、
施工の仕上がりが悪くなります。
6.洗車機を使用する場合は、洗車メニューに注意が必要。
プロテクションフィルム施工後も洗車機を基本的に使用することはできます。
しかし、高圧洗車は剥がれの原因となる場合があります。
また、ワックス洗車などはフィルムの黄ばみの原因となるため、選択しない方が良いでしょう。
プロテクションフィルム(PPF)の恩恵を受ける6つのシチュエーション。
1.スーパーカーやプレミアムSUVには、「飛び石傷」防止として。
スーパーカーにお乗りのオーナー様は、ご友人とツーリングを楽しまれたりすることもあるでしょう。
縦1列に並んでスーパーカーが走っていく姿はとても見応えがあり、本当にカッコいいものです。
しかし、スーパーカーは車高が低くてタイヤも太いので、タイヤが小石を巻き込みやすく、
後続車がフロント周りやフロントガラスなどに飛び石の被害を受けやすいと言えます。
また、GクラスやウルスなどのSUVの場合は、逆に車高が高くフロント部の立ち上がりが大きいので、
フロント周りを中心に飛び石の影響を受けやすい状況にあります。
どちらの場合も、超高級車だけに、パーツ補修やパーツ交換などは手軽な金額ではありません。
そこで、プロテクションフィルムをフロント周りを中心に施工することで「飛び石傷」の防止となります。
プロテクションフィルムが当初から超高級車を対象としていたその通り、
プレミアムカーにとってプロテクションフィルムは有用なアイテムなのです。
2.普段のカーライフの中で発生する「生活傷」防止として。
普段の生活で車を使用していると、どうしても車のボディに傷を付けてしまいやすい部分、
いわゆる「生活傷」が付いてしまうことがあります。
例えば、ドアノブやドアカップの部分は、爪や指輪が当たってひっかき傷が出来ることがあります。
また、靴やヒールが当たってドアステップの部分に擦り傷ができることがありますし、
リアゲートの部分もゴルフバックやその他の荷物が当たって傷ができたりします。
そういった「生活傷」からボディを守るという点でも、プロテクションフィルムが活躍してくれます。
生活傷が起きそうな部分にピンポイントで貼ることによって、傷を防止できるのです。
3.輸入車特有のトラブルである「メッキモールのくすみ・白濁」防止として。
輸入車にお乗りのオーナー様にとって悩みの種となるのが「メッキモールのくすみ・白濁」。
輸入車のメッキモールに採用されている素材(アルミ素材にアルマイト加工処理)の性質上、
日本の気候環境ではどうしても起きてしまうトラブルになります。
メッキモールがくすんだり白濁したりした場合、もちろん磨いて除去することはできますが、
また時が経つと結局は同じ状態になってしまいます。
そのような白濁やくすみ対策としてのコーティングなども流通してはいますが、
その効果や耐久性は今のところ満足の行くものではないというのも実情です。
そこで、有用なアイテムとなるのがプロテクションフィルムというわけです。
プロテクションフィルムによってメッキモールの端から端までしっかりと覆うことで、
メッキモールが劣化するのを防ぎ、良い状態を保つことができます。
メッキモールに採用されるプロテクションフィルムの実用耐久年数も5年程度ですから、
時期が来たらまた貼り替えることで、ずっと良い状態をキープし続けることができるのです。
4.ヘッドライトに起きる「黄ばみ・くすみ・飛び石傷」防止として。
国産車・輸入車限らず、多くのお車がヘッドライトの黄ばみやくすみ・白濁に悩まされています。
ヘッドライトに採用されている素材(ポリカーボネート樹脂)が、
紫外線や風雨、汚れなどの外的要因の影響を受けやすく、
経年劣化しやすいために起きると言われているこの問題。
これも、プロテクションフィルムが解決してくれます。
プロテクションフィルムが紫外線を90%以上カットして、
ヘッドライトが黄ばんだりくすんだりするのを防止します。
また、150μの厚みが走行中に飛んでくる飛び石の衝撃を緩和し、
クラック(ひび割れ)などを防いでくれます。
中には、ヘッドライト用のスモークカラーのプロテクションフィルムもあり、
保護だけでなくドレスアップも図りたいオーナー様にとっては必見のアイテムといえるでしょう。。
5.ケアが難しいマット塗装を守る「マットペイント」保護として。
最近は、マット塗装が人気や注目を集めています。
マット塗装とは、一般的なグロス塗装とは異なり、塗装表面に敢えて非常に細かな凸凹を創り出し、
それが光をさまざまな方向に乱反射させることによって、艶消しに見える特殊塗装のことです。
マットボディは落ち着いた高級感を醸し出したり、流麗なスタイルがより際立つなど、
存在感を演出する面で効果が高く、今高級車を中心にカラー設定されていることが多くなっています。
しかしその反面、マット塗装はその凹凸表面に汚れがこびりつきやすかったり、
洗車機に入れられない、コンパウンドを使うとマットが消えて艶が出てしまうなど、
ケアがとても難しい塗装でもあります。
この点で、プロテクションフィルムにはマット塗装専用に開発されたものがあります。
それは、XPEL社の「ステルス」と呼ばれる艶消し仕上げのプロテクションフィルムで、
このフィルムならボディのマットを崩すことなく、ボディの保護・汚れ防止を叶えることができます。
今マット塗装の車にお乗りのオーナー様には、ぜひともお勧めしたいアイテムです。
6.グロス塗装をマット調へと変化させる「マット化」として。
上述で紹介した艶消しプロテクションフィルム「XPEL ステルス」は、
もともとマット塗装のお車のために開発されたフィルムではありますが、
それを応用してグロス塗装のボディに施工することで「マット化」することができます。
【XPEL ステルス:施工前】
【XPEL ステルス:施工後】
もちろん、ラッピングフィルムでマット化するという形もありますが、
プロテクションフィルムでのマット化の方が耐久性の面で確実に優位に立ちます。
【XPEL ステルス:施工前】
【XPEL ステルス:施工後】
また、プロテクションフィルムによってマット化したお車のリセールがとても良かったという声もあり、
施工金額は高価だが、その付加価値は大いにあるといえるでしょう。
まとめ
プロテクションフィルムは、様々な外的な要素からボディを保護する素晴らしいアイテムです。
リセールバリューにも貢献できますし、プロテクションフィルムを施工してあることでの差別化も、
オーナー様にとっては満足できる要素ではないでしょうか。
とはいえ、やはりフィルムであるため気を付けるべき点もあります。
そのメリット・デメリットをしっかり理解して、お近くの専門店に大切な愛車を預けましょう!
執筆
執筆者
1972年創業 プロテクションフィルム・カーフィルム専門店
株式会社ウエラ名古屋
カーフィルム名古屋.com(https://wellafilm.com/)