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【専門店が教える】カーラッピングで後悔しないために、覚えておきたい7つのこと。
「世界に1台しかない自分だけの車を作り上げたい。」
「純正設定にはないカラーに変化させて、他との差別化を図りたい。」
「アクセントとして”ここのパーツ”だけ、別のカラーリングにしたい。」
そんな思いを持たれるカーオーナー様にとって、
カーラッピングは自分の思い描く形に変貌させることのできる素晴らしいアイテムです。
とはいえ、インターネットやSNSでの情報を見てみると、
「失敗した」「やらなきゃ良かった」「イメージと違った」といった、
カーラッピングに対する”後悔の声”が見られることもあります。
なぜ、そのようなことが起きてしまうのでしょうか?
それは多くの場合、メリットやデメリット、また注意すべきことを含む、
カーラッピングに対する正しい情報が得られなかった・不足していた、
もしくはカーラッピング施工店の説明が足りなかったからです。
それで、このコラムでは、
カーラッピングを検討しておられるカーオーナー様に向けて、
カーラッピングで後悔しないために覚えておくべき7つのことをご紹介します。
このコラムが、少しでも成功に導く助けになればと願います。
※今回は、カーラッピングで後悔しないための注意点を主に取り上げます。
カーラッピングのメリット・デメリットに関しては、
こちらのコラムで詳しくご紹介しておりますので、ご覧ください。
目次
カーラッピングで覚えておくべき7つのポイント。
Point01.「遊ぶ」ことが主な目的。ボディ保護などを期待してはいけない。
そもそも「カーラッピング」とは、
スーパーカーやプレミアムカーを所有する海外オーナー様に向けた、
「遊び」の商品として開発されたものです。
実際にそのオーナーたちがどのように遊んでいたかというと、
まず査定価格が落ちにくいカラーで新車購入し、
購入後すぐにラッピングフィルムで自分の好きなカラーにチェンジします。
そして、一定期間それで楽しんだ後に、
ラッピングフィルムを剥がして売却するのです。
このようなコンセプトで人気を博したことから見ても、
カーラッピングに関しては、一つの大事な点が浮かび上がってきます。
それは、カーラッピングは、
「”カラーチェンジで遊ぶ・楽しむ”」ということを一番の目的としていて、
ボディ保護や傷防止などは、重要な要素に含まれていないということです。
もちろん、塗装表面がラッピングフィルムに包まれることによって、
物理的にボディに汚れが付かなくなるのは事実です。
とはいえ、カーラッピングは、
それを主とするフィルム特性・性能・性質ではありません。
あくまでも、遊ぼうよ!楽しもうよ!
これが、カーラッピングの醍醐味なのです。
Point02.純正カラーやカーボンと”同一”の色味・質感を再現することはできない。
時折、カーラッピングに関するお問合せの中で、
「〇〇〇(車名)で設定されているあのカラーと同じにしたい。」
「上級グレードで設定のあるマットカラーを自分の車にも取り入れたい。」
「純正カーボンと同じ柄のものを他のパーツにも施したい。」
といったお声を頂戴することがあります。
確かに、「まさに求めているのはコレだ!」という、
色味や質感・柄などが身近にあったりすると、
何とかしてそれを再現できないか、と思われることでしょう。
この点で、ラッピングフィルムであれば、
メジャーブランドだけでも数百種類ものラインナップになりますので、
希望とするものに”近い”カラーや質感などを再現することができます。
とはいえ、それはあくまでも”本物に近い”再現であって、
純正カラーやカーボンと”同一”のものを再現できるわけではありません。
なぜなら、カーラッピングはあくまでも「印刷されたフィルム」であり、
その”フィルム感”がどうしても表現されてしまうからです。
リアルカーボンといわれるカーボン柄や、
マットの質感を表現したマット調フィルムも、
本物と同じではなく、やはり”本物のように見える”に過ぎないのです。
それで、カーラッピングによって、
自分の求める雰囲気にできる限り近いものを作り出せたら、
それは御の字だ、というレベルで捉えられることをおススメします。
Point03.塗装の剥がれや凸凹を、ラッピングフィルムで隠すことはできない。
カーラッピングでは、
「塗装が剥がれたり劣化してきたので、その部分をラッピングフィルムで隠したい。」
というお問合せもよくいただきます。
確かに、塗装の剥がれや劣化はお車全体の見栄えに大きく影響しますから、
それをフィルムで隠すことが出来ればそうしたいものです。
しかし実際のところは、たとえラッピングフィルムを貼ったとしても、
その剥がれや劣化、凹凸の雰囲気を隠すことはできません。
なぜなら、ラッピングフィルムは厚みが薄く、
またフィルムは塗装表面にぴったりと定着するので、
その剥がれの痕跡や凸凹を拾ってしまうからです。
それで、基本的にそういった用途・目的での、
カーラッピングのご検討・施工はおススメしていません。
塗装の剥がれや劣化の補修は、再塗装をお勧めします。
Point04.ラッピングフィルムは雨染みや汚れが付きやすい。こまめな洗車が必須。
ラッピングフィルムは雨に濡れても大丈夫なのだろうか?
と心配なさる方もいらっしゃるかもしれません。
この点に関しては、基本的に3Mなどメジャーブランドのものであれば、
問題ないと考えて大丈夫です。
そういった点も考慮した耐候性を兼ね備えています。
とはいえ、雨が降っても洗車をせずにそのまま放置していると、
ラッピングフィルムの上に雨染みや汚れは確実に付いていきます。
そして、塗装と比べれば、ラッピングフィルムの耐候性は明らかに低いので、
よりお手入れやこまめな洗車が必要になります。
また、マット調のラッピングフィルムの場合は、
その質感を表現するためにフィルム表面が細かく凸凹していますから、
余計に汚れや雨染みが付きやすく、かつ落としにくい傾向にあります。
それで、貼ったら終わりではなく、その状態を維持するためには、
やはりこまめな洗車が必要になるという点も覚えておくと良いでしょう。
Point05.経年に伴って、ノリが塗装のクリアに悪影響を与える。
3Mなどの大手ラッピングフィルムメーカーの場合、
フィルムの耐久性・耐候性は「3年」程度として説明されています。
経年に伴ってどのような形でフィルムが劣化していくのかというと、
一番の原因は、やはり「紫外線(UV)」による劣化でしょう。
これによって、フィルムは退色・変色していきますし、
フィルムの糊(粘着剤)は劣化して塗装のクリアに悪影響を与えます。
特に、糊(粘着剤)の層には、もともと施工性を高めるために、
格子状のエア抜き溝があり※、糊が劣化すると、
ボディにはこの格子状の跡が残るようになってしまいます。
(※3M-1080,2080シリーズ)
(写真:https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/graphics-signage-jp/applications/cwf/)
ですから、例えばカーラッピング施工から3年経過した時に、
ラッピングフィルムの表面上はたとえ良い状態に見えたとしても、
糊(粘着剤)は確実に劣化しています。
メーカーが推奨する年数を経過したら、
本来はどのような状態でも剥がして貼替えた方が確実に良いのです。
この点も心に留めておかれると良いでしょう。
Point06.経年車ではフィルム貼付時・剥離時に、塗装が剥がれるリスクが高い。
【Point01】の部分でお話した通り、このラッピングフィルムは、
もともと新車向けのお車に向けて開発されたフィルムです。
塗装状態の良い新車時にフィルムを貼って施工し、
さほど年数が経たないうちに剝がすことで、
元の塗装表面への影響をほとんど与えることなく、
楽しむことが出来るというわけです。
ですから現在も、基本的にはラッピングフィルムは、
新車時などの塗装状態の良い時に貼るのが良いと言えます。
もちろん、経年車にもお貼りすることはできますが、
やはり塗装も年数の経過とともに劣化していきますので、
経年車の場合では貼付時や剥離時に塗装が剥がれるリスクも高まります。
それで、もし経年車でのラッピングフィルムを検討しておられる場合は、
そのリスクを十分に理解した上で、ご決定なさることをお勧めします。
Point07.安価なラッピングフィルムは、品質的に粗悪なものが多い。
多くのカーラッピング施工店では、3Mをはじめとする、
メジャーブランドのラッピングフィルムを採用していることがほとんどです。
しかし、インターネット上では、
無名ブランドを含む様々なラッピングフィルムが販売されており、
その多くが安価に購入することができます。
DIYでご自身でラッピングフィルムを貼付けたりする場合は、
そういった販売サイトから実際に購入されることもあるでしょう。
とはいえ、やはり安価なフィルムには注意が必要です。
もちろん、安価だからすべて品質が悪いというわけではありませんが、
耐久性や耐候性に問題があったり、糊(粘着剤)の品質が悪くて、
結果的に後悔するということも少なくありません。
高性能で高品質なフィルムが、それ相応に高価になるのには、
それだけの理由があるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ここまでの部分で、カーラッピングで後悔しないために、
覚えておくべき7つのことをご紹介してきました。
今回は注意すべきことをメインにお伝えしましたので、
どちらかというとデメリット系のお話になってしまいました。
でも、ラッピングフィルムにはたくさんのメリットもありますし、
何よりも、カーラッピングはオーナー様の愛車への「遊び心」をくすぐる、
とても素晴らしいアイテムです。
ぜひ、今日ご紹介した7つの点を踏まえた上で、
カーラッピングによる”世界に1台しかない”カスタマイズを、
存分に楽しんでいただければと思います。
執筆
執筆者
1972年創業 カーフィルム・カーラッピング専門店
株式会社ウエラ名古屋
カーフィルム名古屋.com(https://wellafilm.com/)